私は受験では世界史を選択していました。受験の時はかなり覚えていたと思います。そして去年コロナの影響で塾を休塾にした期間、あまりにも暇で、世界史関連の本を2つ読みました。1つは山川出版社の「詳説世界史研究」。事実が淡々と描かれている感じのもので、かなり学術的なものに思えます。そしてもう一つは山川出版社の「ナビゲーター世界史B」(4冊に分冊)。こちらの方は受験に的を絞ったものです。どちらも一長一短あるのですが、それなりに良かったと思います。昔の知識が蘇ってきました。そしてこの夏、中央公論社の「世界史」(文庫本、2冊に分冊)を読んでいます。これは去年読んだ2つとはまったく違った視点から書かれていてとても新鮮です。まず、著者がウィリアム・H・マークという人で日本人ではありません。去年の2つはどちらも日本人が書いてものでした。外国人が書くと、原因と結果という視点からの記述が多いように思えます。直接的に受験にすぐ役立つとは思いませんが、それまでの狭い視点を、大局的に眺める広い視点に変えるにはいい本だと思います。難関私大を世界史を使って受験しようとしている人には、一読の価値があると思います。こんなの読んでも受験に直結しないから無駄と思う人もいると思いますが、難関大学に合格できない人の一つの特徴は、受験に必要なことだけを覚えてなるべく効率よく勉強することが最善だと考えていることです。世界史に限らず、勉強は奥が深いものです。その考えだといつか限界が来てしまい、学力は伸びなくなります。最短距離を行こうとして結局は遠回りをしているのです。
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